風に舞う 44 (花男:総&つく)
日に日に寒くなってきた11月も終わり・・・
つくしは、11月に入ってから週1回、総二郎にお茶の稽古を付けて貰い始めた。
他にも初心者の生徒さんが3人居た為、つくしは混ぜて貰い、
4人で総二郎に稽古を付けて貰っている。
この日、つくしは講義が少なかった為、14時から西門邸に来ていた。
「こんにちは」
「いらっしゃいませ、牧野様。総二郎様は自室に居られます」
「ありがとうございます。
あの・・・下田さん、これ少しなんですが、皆さんで食べてください」
「え・・・これは・・・」
「いつも良くして頂いているので、少しだけなのですが、休憩時間にでも・・・」
「牧野様、私ども使用人にと言う事ですか?」
「はい・・・」
「いけません・・・そんな・・・」
「え?そうなんですか?でも、皆さんに食べて頂こうと思って・・・あっ・・・総君」
使用人4人と、つくしが話してる所へ、つくしが来ないことを心配して、
総二郎が外を見に行こうと出て来た所だった。
「つくし、遅いから外を見に行こうと思ったんだよ」
「あ、ごめんね・・・」
「いえ、総二郎さん、私と話して居りまして、
お部屋へお通しするのが遅くなってしまいました。すいません」
「え?どうしたの?」
下田が珍しくオドオドしてる姿も不思議に思えた総二郎は、
使用人と つくしで何かあったのかと不安になった。
「あのね、これを下田さん達の休憩に食べて頂こうと思って、持って来たんだけど・・・」
「え?そうなの?つくしらしいなぁ・・・くっくっく・・・
また世話になってるとか思ってんの?」
「え・・・うん・・・
だって、いっつも玄関で挨拶してくれて、私、すっごく嬉しくなるんだもん・・・」
「くっくっく・・・下田さん、頂いたら?つくしの気持ちだって」
「しかし、総二郎さん・・・」
「つくしのバイト先の和菓子だろ?」
「うん、すっごく美味しいから、食べて貰いたいと思ったんだ。
ほら、こっちはお父様とお母様に」
そう言って、つくしは、もう1つの包みを総二郎に見せた。
「下田さん、こんな事、今まで無かったと思うけど、
つくしは、こんな子だから・・・貰って食べてやって」
総二郎は、つくしの頭に手を置いて下田に言った。
「はい・・・牧野様、ありがとうございます。頂かせて頂きます」
下田と使用人3人は、つくしに頭を下げた。
「さぁ、つくし部屋に行くぞ」
「うん、あ、お父様とお母様にも渡さないと・・・」
「ん?そっか・・・また母さんに捕まって話長くなりそうだな・・・
下田さん、これ渡しておいてよ」
総二郎は、つくしとの時間を少しでも多く過ごしたかった為、
貴美子の所へ連れて行きたくなかった。
「ダメだよ!ちゃんと渡さないと・・・下田さん、お母様はリビングですか?」
「くすっ・・・はい、リビングにいらっしゃいます」
「下田さん、今、俺の事笑った?」
総二郎が、クルリと振り返って言った。
「あ・・・くすっ・・・すいません・・・
総二郎さんも牧野様には弱いのかと思いまして・・・くすっ」
使用人3人も下を向いている・・・・
「・・・なんだか、つくしのせいで、家での俺のイメージも崩されてんなぁ・・・」
「なんで、私のせいなのよ! 素の総君が出せて良いじゃん。
そうですよね?下田さん」
「くっくっく・・・そうですね・・・今の総二郎さんの方が素敵ですね」
下田がつくしにウィンクした。
「ほ~ら~ね?総君、素敵だって」
つくしが、総二郎の腕に自分の腕を絡め、総二郎の目尻が下がり、
使用人4人がまた下を向いた・・・
~総二郎さん、牧野様のお陰で、
何も飾らずリラックスされた表情が出る様になった気がします・・・
幸せなんでしょうねぇ、総二郎さん・・・良い娘さんが来てくれて嬉しく思います~
つくしと総二郎は、リビングに行き、手土産を渡すと、
総二郎は直ぐに、つくしを連れ部屋に入った。
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- 2011/12/26(月) 07:49:26|
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